こんにちは。 @hiragram です。今はiOS版アプリの開発と、nana全体の開発リーダーを兼任しています。
誰でも簡単に歌や演奏をシェアできる音楽アプリnanaは、iOS版/Android版ともにアプリの大規模なリニューアルを予定しています。今日はそれに取り組む開発チームのこれまでとこれからを紹介します。
nanaのアプリの歴史
実はnanaの歴史は長く、2012年に最初のiOSアプリが全世界に向けリリースされました。
その後2014年(Androidは2016年)のリニューアルを経て、現在まで開発/運営が続けられてきました。
2022年、nanaは10周年を迎えます。その節目の年に、アプリをゼロから作り直し、サービスをフルリニューアルします。
なぜ作り直すのか
理由は大きく2つあります。ひとつは、私達がnanaを通じて実現したい世界が時とともに変化してきたこと。もうひとつは、技術的な負債が積もりに積もって、開発やサービス運営の生産性がずっと低い状態にあることです。
昨今、様々な創作行為がスマートフォンやタブレットだけで完結できるようになりました。絵を描いたり、動画を編集したり、写真をレタッチしたり…そして、nanaが扱う"音"についても、スマホだけでできることの幅が確実に広がってきています。今のnanaの録音編集機能は、手軽さを売りにしており、細部にこだわって"作品"を作り上げるには、痒いところに手が届かない、制約が多いといった課題がありました。これから更に大きな流れになるであろう「スマホクリエイション」の世界で戦っていくため、nanaの根本的価値であった録音編集機能やそのコンテンツを取り巻くコミュニティ機能を今一度見直し、nanaが提供すべき価値を再定義しようとしています。
このサービス思想の変化については、弊社代表文原がそのうち記事を出すのでそちらで。
そして技術的負債について。これは開発チームを取り巻く過去の経緯に由来します。nanaは2011年に創業し、2017年に買収され、2021年に再び独立しました。また、その歴史の中で、開発リソースの不足を業務委託メンバーの過剰な増員によって補ってきました。そういった歴史的経緯から、人の出入りが激しく、「社員にノウハウが蓄積しない」「過去に作った機能について知っている人が居ない」「わからないので抜本的な改善ができず、とりあえず対症療法的な増築をしてしまう」という問題が表面化するようになります。いつしか積極的な機能追加やユーザーエンゲージメントを高めるためのサポートや企画運営がだんだんと難しくなりました。
2021年4月ごろから、フルリニューアルについての議論がなされるようになりました。
どうやって作り直すのか
2022年の6月から7月にかけて、開発チームの組織再編を行いました。各メンバーの専門性によって適切な配置をし、各プラットフォームにリーダー職を置き、PO/開発リーダー/各プラットフォームリーダーそれぞれの責任領域を明確にしました。Web版nana、運用のための管理ツール、インフラ環境など、これまで優先度を上げられずにいたものについてもその重要性について見直し、改善に取り組む開発者をアサインしました。
2022年7月から、POとデザイナーとの間で、フルリニューアル後の機能や仕様の検討が始まりました。nanaプロダクト開発チームは毎週火曜と木曜をオフィス出社日としており、出社日には開発者も議論に参加しながらプロダクトの構想を練っていました。
2022年8月の現在、nanaアプリの中で最も重要なコア機能である録音編集画面の仕様が概ね固まり、プロトタイプを開発しています。また、サーバーサイドチーム内では、Python(Django)で書かれた既存のAPIサーバーの一部を切り出し、GoでAPIを実装できるようにするためのインフラ構築について技術検証をしています。
目下の目標は、2022年末までに一通りの機能を揃えて何らかリリースできる状態にすることです(それがストアでの配信なのか、ベータテストなのか、どうなるかまだわかりません😄)。
これからのnanaチームに必要なこと
チームの構成を先程お見せした通り、開発リソースには全く余裕がありません。背中を預けて一緒に戦える仲間が必要です。
nanaは、インターネット×音楽カルチャーなサービスです。VOCALOID、歌ってみた、演奏してみた、ファンアート、MV制作…いわゆる"インターネットっぽい創作コンテンツ"の文化に原体験を持ち、プロダクトをより良くするために自分の言葉で議論できるような人に仲間に加わってほしいです。
私は、小学生のころに和太鼓を叩き始め、中学に入ると初音ミクとアイドルマスターにのめり込み、高専ではバンドでドラムを叩き、「けいおん!」を見てギターを始め、ニコニコ動画にVOCALOID楽曲を投稿していました。エンジニア界隈にもそういう方は実は結構いるんじゃないかと思っています。
先述の通り、nanaはもうすぐ10歳になります。10年間ユーザーに支えられてきたサービスを大きく作り変えることは、私にとってハードで、でもとてもエキサイティングです。会社という観点で見ると、激動の歴史を感じるところもあれば、ただの泡沫ベンチャーのように感じるところもあります(個人的には、「創業2年目のスタートアップにいる」という気持ちで働いています)。ぶっちゃけ色々便利に整った環境では、ないです。カオスな部分と付き合いながら物事をエイヤと決めて前に進めることに喜びを感じられる方には、いい環境だと思います。
マジで力を貸してくれ〜。
採用をやっていっています
iOS/Android/サーバーサイド/インフラ/デザイナーと全方位募集しています。働く環境に関する情報は、下の採用情報ページをご覧ください。
また、Meetyで私と話すこともできます。転職を1ミリも考えていない方でも大丈夫です。技術的なことはiOSについてしか話せませんが、後にnanaの別の開発者や経営陣と話す機会を用意することもできますので、どんな職種の方でもお気軽にお申し込みください。